『ロシュフォールの恋人たち』『シェルブールの雨傘』『ロバと王女』、今日Blu-ray発売!!
…まったく、商売上手なもんですね。特典もいっぱいつけてきちゃって。
二年前にコンプリートDVDBOX買った身としては、いくらドゥミ好きでも躊躇しちゃうわけで。
『しあわせの雨傘』のDVD&Blu-rayもついに発売!
…破産する。
しあわせの雨傘 コレクターズ・エディション<2枚組> [DVD]
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しあわせの雨傘 コレクターズ・エディション<1枚組> [Blu-ray]
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フランス映画祭ですっかり復習&記事アップが遠ざかっていた、日仏・映画の授業。
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で、ようやく今回がラストです。
「ここから特に重要な表現は出てこないよ」と先生。
ラストまで畳み掛けるように、駆け足で授業を進めます。
シュザンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)、ジャージでジョギング。
今回オープニングとの違いは、ジャージの色。
オープニングでは赤色でしたが、青色に衣替え。
「赤はアムール。家族への愛情を示していた。
青は自立。一人の女として、社会で生きていくことを示しているのではないでしょーか」
と、ドヤ顔で発言してみるも、さらりと流す術でかわされてしまった。
夫のロベール(ファブリス・ルキーニ)、娘のジョエル(カリン・ヴィアール)と食卓を囲む場面。
どうやらまだ離婚はしていないようです。
ジョエルは、ジャン・シャルル(ジョエルの夫)の戦略を語るも、ロベールは興味が無い様子。
そしてシュザンヌは告白。
Je vous ai pas dit? Je me présent aux élections législatives, contre Maurice Babin.
ババン(ジェラール・ドパルデュー)の対立候補として、選挙に出るのよー。って、言ってなかったかしら?
街に張り出される選挙ポスター。
「La libérté guide nos pas」 このpasはもちろん否定形でなく「歩」、libértéは「自由」というよりは「解放」のほうが近い。
「Sans étiquette」の文字も。無党派・無所属。
チーズ工場や牛舎も選挙運動でまわるシュザンヌ。その傍らにはいつも息子のロラン(ジェレミー・レニエ)と、マスコミ。
「ブルジョワジーが、明らかに不釣合いな場所にいる」という構図を、オゾン君は楽しんで撮っているんだとか。
まあ確かに滑稽な絵ですけどね。
工場でチラシを配っているときに、ナデージュ(カリン・ヴィアール)と久々の再会。
Grâce à vous, j’ai compris qu’une femme peut réussir, sans passer à la casserole.
「あなたのお陰で、女は股を開かずとも成功できることがわかりました!」
…なんだかここの日本語訳だけはよく記憶していた私。。。。
「彼女はどうしてるの?」と聞くシュザンヌに
On a rompu. (別れたよ。=On a séparés)と答えるロラン。
C’est pas à cause de moi, j’espère. 私のせいじゃないといいけど、とシュザンヌ。
En quelque sorte, si. Je crois que tu es devenue la femme la plus important de ma vie.
ある意味そうかもね、ママは僕の人生の中で一番大切な女性だから。
…欲しい、欲しい。今すぐこんな息子が。
シュザンヌの選挙活動を助けてくれている人の中に、やたらイケメンがいる。なんとなくロランに似ているような…
C’est le fils du notaire. 公証人の息子だよ。
公証人=シュザンヌが若かりし頃に浮気して愛を交わした人。
戸惑いながら Ah… c’est ton père qui va être content. とシュザンヌ。
ここをあえて“ロベール”と言わず“ton père”と言ってるのが面白いポイントらしいよ。
ある夜。ロベールはシュザンヌの寝室に訪れる。
Je peux dormir avec toi, cette nuit?
社長の座をシュザンヌから奪ったものの、子供のようにおねだりする姿はまるでpotiche。
「あら、Badaboum(ディスコ)には行かないの?」「木曜は休みなんだ」っていう会話も、まるで母と息子。
離婚調停中の二人。ロベールは
Tu te souviens de notre lune miel? と、新婚旅行の思い出を持ち出すも、シュザンヌは
Dis-moi une chose Robert: est-ce que tu va voter pour moi?
ねえロベール、私に投票するわよね?
選挙当日。勝利した方が、負けたほうに電話をかけるのが慣わしなんですって。
「À bientôt, Mme… la députée.」
「À très vite, Monsieur… Monsieur le maire.」
そしてシュザンヌの勝利演説。
Mon rève, aujourd’hui, en devenant votre députée, serait d’ouvrir un immense parapluie et de vous tenir bien serrés autour de moi, de vous abriter, de vous dorloter, de vous chouchouter. Parce que vous ètes tous des enfants, mes enfants.
大きな傘を広げあなたたちを守ってあげる。だってあなたたちは私の子供だもの!
…ふざけてるー。でも MAMAN! MAMAN! と聴衆。
家のテレビでその様子を見るジョエルとその子供、ロベール。
ジョエル Et moi qui prenais maman pour une potiche. ママはpotiche(お飾りの壺)だと思ってたけど。
ロベール Potiche, peut-ètre. Mais certainement pas une cruche.
直訳すると「お飾りの壺さ、多分ね。だけど水差し壺じゃない。」って、なんのこっちゃ、って話ですが
crucheには壺・水差しのほかに「馬鹿、マヌケ」って意味を持つ単語。この言葉のアヤがさすがですなー。
(日本語だとどう訳されてたんだっけ?明日DVDでチェックしなくっちゃ)
そしてC’est beau la vie~♪
~FIN~
最初の方は皮肉めいた表現が豊富に盛り込まれていて発見もたくさんあったのですが、途中からオゾン節もなくなり、台詞が多いだけに(いつもの題材の約1.5倍!)ストーリーを追うだけで終わってしまったのが残念。
それでもやっぱりこの授業は楽しい!
シャブロル特集やパリ祭があるので日仏には通うけど
先生がバカンスなので、一ヶ月半も授業お休み。
次回の題材は「ゴダール」。。。。夏休みの自由研究だと思って、予習しなくちゃ!!